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ベイヒルズSR通信 9月号「賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(2023年)より」「男性育休初の30%超え~「雇用均等基本調査」より」

賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(2023年)より

◆監督指導結果のポイント

①2023年に全国の労働基準監督署で取り扱った賃金不払事案の件数、対象労働者数及び金額は以下のとおり。

件        数 21,349件(前年比818件増)
対象労働者数 81,903人(同2,260人増)
金        額 101億9,353万円(同19億2,963万円減)

 

②労働基準監督署が取り扱った賃金不払事案(上記1)のうち、令和5年中に、労働基準監督署の指導により使用者が賃金を支払い、解決されたものの状況は以下のとおり。

件        数 20,845件  (97.6%)
対象労働者数 174,809人(96.1%)
金        額 92億7,506万円 (91.0%)

 

 

◆賃金不払いと監督指導の事例(業種:飲食業)

事案の概要
  • 労働時間は、勤怠システムにより管理を行っているが、当該システムに搭載された端数処理機能を用いて、日ごとの始業・終業時刻のうち15分未満は切り捨て、休憩時間のうち15分未満は15分に切り上げる処理が行われていた。
  • 着用が義務付けられている制服への着替えの時間を、労働時間としていなかった。
労働基準監督署の指導
  • 労働時間を適正に把握するための具体的方策を検討・実施すること。
  • 過去に遡って、労働時間の状況について労働者に事実関係の聞き取りを行うなど、実態調査を行い、実際の支払額との差額の割増賃金の支払いが必要になる場合は、追加で支払うこと。
その後の事業場の対応
  • 労働者へのヒアリングを行って、正しい労働時間数を把握し、再計算の上、差額の割増賃金を支払った。
  • 勤怠システムに搭載された端数処理機能の設定を見直し、始業・終業時刻の切り捨て、休憩時間の切り上げ処理をやめ、1分単位で労働時間を管理することとした。
  • 制服への着替えの時間を、労働時間とすることとした。

>>詳細リンクはこちらからご覧ください【厚生労働省「賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和5年)を公表します」】

 

 

 

男性育休初の30%超え~「雇用均等基本調査」より

厚生労働省は、「令和5年度雇用均等基本調査」の結果(従業員5人以上の3,495事業所から回答)を公表しました。
この中から、男性の育児休業の取得状況についてご紹介します。

◆法改正により取得率が上昇

昨年度の男性の育児休業取得率(産後パパ育休を含む)は30.1%で、令和3年度より13ポイント増えて過去最高を更新しました(女性は、84.1%(令和3年度より3.9ポイント増))。
同省は、取得率が30%に達した理由として、2022年の育児介護休業法の改正により取得意向の確認が義務付けられたことや、中小企業に様々な政策を打ち出し、制度が周知されたことなどを挙げています。
育児休業の取得期間は、「1か月~3か月未満」が28.0%(2021年度24.5%)と最も高く、「5日~2週間未満」が22.0%(同26.5%)、「2週間~1か月未満」が20.4%(同 13.2%)となっており、2週間以上取得する割合が上昇しています。
事業所の規模別では、「従業員500人以上」が34.2%で最も多く、100人以上の事業所では30%を超えているのに対し、「5~26人」の事業所は26.2%でした。

◆従業員300人以上の企業は取得率公表が義務化

政府は、男性の育児休業取得率を2025年までに50%に上げることを目標に掲げています。
取得率を向上させる施策として、来年4月からの育児介護休業法の改正により、従業員が300人超1,000人以下の企業にも取得率の公表が義務付けられるようになります。
また、従業員数100人超の事業主に対して、行動計画策定時に育児休業の取得状況等に係る状況把握および数値目標の設定が新たに義務付けられるようになります。

>>詳細リンクはこちらからご覧ください【厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」】

>>ベイヒルズSR通信(2024.9月号)PDF版はこちらからご覧ください

 

 

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