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ベイヒルズSR通信 5月号「2023年度 労働保険の年度更新の注意点」「2024年4月から労働条件明示ルールが改正されます」「企業のリスキリングに関する取組みと人材育成の方向性」

2023年度 労働保険の年度更新の注意点
~例年の算定方法と異なります~

◆労働保険の年度更新とは

労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間を単位として計算されることになっており、その額はすべての労働者(雇用保険については、被保険者)に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定することになっています。

労働保険は、保険年度ごとに概算で算出した保険料を納付し、年度末に確定した保険料の差額を精算することになっています。そのため事業主は、前年度の確定保険料と新年度の概算保険料の申告・納付の手続きが必要となります。これが「年度更新」の手続きです。この手続きは、毎年6月1日~7月10日に行わなければなりません。

◆2023年度の注意点

2022年度は年度の途中で雇用保険率が変更になったため、2022年度確定保険料の算定において、一元適用事業および二元適用事業(雇用保険)の場合は、保険料算定基礎額と保険料額を労災保険分と雇用保険分ごとに、前期(2022年4月1日~同年9月30日)と後期(2022年10月1日~2023年3月31日)に分けて算出する必要があります。

これに伴い、2023年度の年度更新は、年度更新申告書と確定保険料一般拠出金算定基礎賃金集計表の様式が変更されているので、注意が必要です。
なお、二元適用事業(労災保険)の場合は、2022年度の確定保険料の算定方法は変更ありません。
また、一般拠出金および特別加入保険料の算定方法についても例年と変更ありません。

>>詳細リンクはこちらからご覧ください【厚生労働省「労働保険年度更新に係るお知らせ」】

 

 

2024年4月から労働条件明示ルールが改正されます

◆労働条件明示事項が追加に

労働基準法施行規則等の改正により、2024年4月から労働条件明示のルールが変わります。具体的には、労働契約の締結・更新のタイミングの労働条件明示事項が追加されます。明示が必要なタイミングごとに、新しく追加される明示事項を見てみましょう。

1.全ての労働契約締結時と有期労働契約の更新時
明示事項①: 就業場所・業務の変更の範囲

2.有期労契約の締結時と更新時
明示事項②:更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容

※最初の労働契約の締結より後に更新上限を新設・短縮する場合は、その理由を労働者にあらかじめ説明することが必要

3.無期転換ルールに基づく無期転換申込権が発生する契約の更新時
明示事項③:無期転換申込機会

明示事項④:無期転換後の労働条件
※無期転換後の労働条件を決定するにあたり、就業の実態に応じて、正社員等とのバランスを考慮した事項について、有期契約労働者に説明するよう努めなければならない

◆労働条件通知書を見直しましょう

上記1について、すべての労働契約の締結と有期労働契約の更新のタイミングごとに、「雇入れ直後」の就業場所・業務の内容に加え、これらの「変更の範囲」についても明示が必要になります。改正に適応した労働条件通知書となるよう、書式を見直しましょう。また、2・3の有期契約労働者については、会社の方針を踏まえしっかりと説明する必要があることに注意しましょう。

>>詳細リンクはこちらからご覧ください【厚生労働省「労働条件明示改正リーフレット」】

 

企業のリスキリングに関する取組みと人材育成の方向性

◆リスキリングに取り組むビジネスパーソンは約7割、企業は3割以下

現在政府は、DX化の推進を目的として「リスキリング」の施策に取り組んでいます。テクノロジーの発展等によりビジネスモデルが変化する中、企業としても社員の人材育成はますます重要なテーマとなっています。

株式会社ビズリーチが、同社が運営する転職サイト「ビズリーチ」の会員と企業の経営層・採用担当者を対象に実施した調査によれば、67.6%のビジネスパーソンがリスキリングに取り組んでいると示されている一方で、取り組んでいると回答した企業は26.3%となっています。

◆9割以上の人が将来的なリスキリングの必要性を感じている

同調査によれば、9割以上のビジネスパーソンが、将来的に新たなスキルを見つける必要があると回答しています。調査対象については、自分の市場価値を上げたいと考える層が比較的多い傾向にあると思われますが、リスクキリングやリカレントなど、以前より「自分のスキルを向上させたい、そのために学び直しをしたい」というビジネスパーソンは増加していると考えられます。

◆企業の取組みはこれから

上記の調査からもわかるように、ビジネスパーソンのリスキリングへの意欲に比べて、企業側の取組みはまだ進んでいないようです。

日本商工会議所・東京商工会議所が全国の中小企業6,013社を対象に実施した「最低賃金および中小企業の賃金・雇用に関する調査」によれば、企業が実施している人材育成・研修としては、業務遂行に必要な人材育成・研修に関する回答が多く、新たな知識・技術の習得に向けた人材育成・研修について取り組んでいる企業はまだ少ないことが示されています。

現在のリスキリングや人材育成の取組みが、新技術等への対応を踏まえたものであることを考えると、今後は企業としても、自社の経営環境を踏まえ、人材育成に対する新しい取組みを検討していきたいところです。

>>詳細リンクはこちらからご覧ください【株式会社ビズリーチ プレスリリース 2023年4月4日】

>>詳細リンクはこちらからご覧ください【日本・東京商工会議所「最低賃金および中小企業の賃金・雇用に関する調査」】

 

>>ベイヒルズSR通信(2023.5月号)PDF版はこちらからご覧ください

 

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