ベイヒルズSR通信8月号「男女の賃金差異の情報公表が義務化されました」「Z世代の新入社員の意識」
男女の賃金差異の情報公表が義務化されました~改正女性活躍促進法施行
◆改正の概要
2022年6月7日に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画~人・技術・スタートアップへの投資の実現~」において、一般事業主のうち常時雇用する労働者の数が 300 人を超えるものに対し、「男女の賃金の差異」の公表が義務化されました。これを受け、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令の一部を改正する省令」および「事業主行動計画策定指針の一部を改正する件」が7月8日に公布・告示され、同日施行・適用されました。
◆制度見直しの具体的内容
- 情報公表項目に「男女の賃金の差異」を追加すること
- 企業規模に応じて必須項目または選択項目とすること
(※常時雇用する労働者の数が 300 人を超える一般事業主については、当該項目の公表は必須) - 3つの区分(全労働者、正規雇用労働者、非正規雇用労働者)により公表すること
- 情報公開については、事業主ごとに行うものとされ、例えばホールディングス(持株会社)であっても、法の定める一般事業主に該当する限り、単体としての情報公表を行う(連結ベースではない)等
◆男女の賃金差異の公表方法等
【公表イメージ】
男女の賃金の差異 |
|
すべての労働者 |
XX.X% |
うち正規雇用労働者 |
YY.Y% |
うちパート・有期労働者 |
ZZ.Z% |
(注)対象期間:〇〇事業年度(〇年〇月〇日~〇年〇月〇日)
【公表方法】
厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」や自社ホームページ
【公表時期】
2022年7月8日以後、最初に終了する事業年度の実績を、その次の事業年度の開始後おおむね3か月以内
「男女の賃金の差異」の算出にはそれなりの手間がかかるので、厚労省の算出方法や解説資料を確認し、早めに準備しておくとよいでしょう。
【厚生労働省 「男女の賃金の差異の算出及び公表の方法について」】より
【厚生労働省 「男女の賃金の差異の算出方法等について」】より
Z世代の新入社員の意識調査結果
Z世代とは、一般的に1996年から2012年の間に誕生した世代のことで、近年、このZ世代を新入社員としての受け入れる企業の人事担当者や管理職から、世代間の違いについて悩む相談が増化しています。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズは、「新入社員意識調査2022」(新入社員導入研修受講者525名、新入社員向けeラーニングサービス受講者1,672名に実施)における調査結果を公表しました。
◆「働くうえでの意識」についての調査結果
Q:「働くうえで大切にしたいこと」とは?
「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」がトップ(49.0%)で、10年前と比較し11.5pt増加。「周囲(職場・顧客)との良好な関係を築くこと」が過去最高(45.0%)で、昨対比5.0pt増加した他、10年前と比較し6.2pt増となっています。
一方で、「何があってもあきらめずにやりきること」「失敗を恐れずにどんどん挑戦すること」「会社の文化・風土を尊重すること」などは過去最低となっています。
Q: 仕事・職場生活をするうえでの不安は?
「仕事についていけるか」が調査開始以来トップ(63.8%)で、10年前との比較では0.7pt増加しています。
◆Z世代の新入社員の特徴
「仕事をするうえで得意なスタンス」は、「相手基準」と「協働」の選択率が高く、「不安・苦手意識があるけど大事、意識して取り組みたいスタンス」は、「自発」と「試行」の選択率が高いことがあげられます。
また、「上司に期待すること」としては、「相手の意見や考え方に耳を傾けること」「職場の人間関係に気を配ること」が過去最高となったことからもわかるように、近年の特徴として、自己成長のみならず貢献や協働・相手基準などへの関心が高く、相手の意見や考え方に耳を傾けるコミュニケーションを望む傾向があります。
このような特徴を持つ新入社員の可能性を引き出すポイントは、長所や小さな変化を承認しながら心理的安全性を高めていくこと・意欲をとらえ、行動を促す・初めてのトライには傍で伴走したりするなど、はじめの一歩に対するフォローを意識して行うこと等があげられます。
【株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「「新入社員意識調査2022」の結果」】より
ベイヒルズSR通信(2022.8月号)PDF版はこちらから>>