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ベイヒルズ社労士事務所便り2021年2月号「育児休業中の就労について」

育児休業中の就労について

◆育児休業中に就労することはできるか?

育児・介護休業法上の育児休業は、子の養育を行うために、休業期間中の労務提供を消滅させる制度です。よって、休業期間中に就労することは想定されていません。
しかし、労使の話合いにより、子の養育をする必要がない期間に限り、一時的・臨時的にその事業主の下で就労することができます。ただし、恒常的・定期的に就労させる場合は、育児休業をしていることになりません。

◆育児休業中の就労にあたっての留意点

事業主の一方的な指示により就労させることはできません。労働者が自ら事業主の求めに応じ、合意することが必要です。また、事業主は、育児休業中に就労しなかったことを理由として、人事考課において不利益な評価をするなど、労働者に不利益な取扱いをしてはなりませんし、上司や同僚からのハラスメントが起きないよう、雇用管理上必要な措置(マタハラについての相談体制の整備、相談が発生したときの適切な対応等)を講ずる必要があります。

◆一時的・臨時的に就労した場合、育児休業給付金は支給されるか?

上記のように、一時的・臨時的にその事業主の下で就労した場合、就労が月10日(10日を超える場合は80時間)以下であれば、育児休業給付金は支給されます。

◆一時的・臨時的就労に該当するケース

厚生労働省が公表しているリーフレット「育児休業中の就労について」(令和2年12月)において、一時的・臨時的に就労と該当する例と該当しない例が示されています。
①労働者の育児休業期間中に、限られた少数の社員にしか情報が共有されていない機密性の高い事項に関わるトラブルが発生したため、当該事項の詳細や経緯を知っている当該労働者に、一時的なトラブル対応を事業主が依頼し、当該労働者が合意した場合。
②労働者は育児休業の開始当初は全日を休業していたが、一定期間の療養が必要な感染症がまん延したことにより生じた従業員の大幅な欠員状態が短期的に発生し、一時的に当該労働者が得意とする業務を遂行できる者がいなくなったため、テレワークによる一時的な就労を事業主が依頼し、当該労働者が合意した場合など。
これらの事例はあくまで一例であり、これらの事例に合致しないケースが一律に一時的・臨時的な就労に該当しないことにはなりません。
また、一時的・臨時的就労と判断されない例として、以下を挙げています。
③労働者が休業開始当初より、あらかじめ決められた1日4時間で月20日間勤務の場合や、毎週特定の曜日または時間に勤務の場合。

「36協定届」が新しくなります

◆改正の内容

2021年4月1日より、36協定届の様式が新しくなります。
改正内容は、下記のとおり大きく2点あげられます。
① 36協定届における押印・署名の廃止
② 36協定の協定当事者に関するチェックボックスの新設

◆36協定届における押印・署名の廃止

改正により、使用者の押印および署名が不要になりました(記名は必要)。
※36協定と36協定届を兼ねる場合の留意事項:労使で合意したうえで労使双方の合意がなされたことが明らかとなるような方法(記名押印または署名など)により36協定を締結すること

◆36協定の協定当事者に関するチェックボックスの新設

労働者代表(事業場における過半数労働組合または過半数代表者)についてチェックボックスが新設されています。
※過半数代表者の選任にあたっての留意事項
・管理監督者でないこと
・36協定を締結する者を選出することを明らかしたうえで、投票、挙手等の方法で選出すること
・使用者の意向に基づき選出されていないこと

◆新旧様式の届出の適用

2021年3月31日以前であれば、4月1日以降の期間を定める協定であっても、原則、旧様式を用いることになります。しかし、新様式を使用することも可能で、その場合は、協定当事者の適格性にかかるチェックボックスにチェックする必要はありませんが、使用者の記名押印または署名が必要になります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえ、3月31日以前であっても、使用者や労働者の押印または署名がなくても提出することができます。
また、4月1日の施行日以降であっても、当分の間旧様式を用いることもできます。その際の留意点は次のとおりです。
・旧様式の押印欄を取り消し線で削除する
・協定届,決議届については、旧様式に、協定当事者の適格性にかかるチェックボックスの記載を直接追記する、または同チェックボックスの記載を転機した紙を添付する(チェックボックスにチェックがないと、要件に適合している協定届・決議届と認められませんので、注意が必要です)

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