「ベイヒルズ社労士事務所便り2018年9月号」を発行しました
ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出状況
厚生労働省は、平成29年度のハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数を取りまとめました。
◆申出件数・申出内容・申出要因
平成29年度の申出等の件数は8,507件(全国計。対前年度比8.5%減)で、申出等の内容では、「賃金に関すること」が27%と最も多く、次いで「就業時間に関すること」21%、「職種・仕事の内容に関すること」15%、「選考方法・応募書類に関すること」11%、「休日に関すること」10%、「雇用形態に関すること」8%、「社会保険・労働保険に関すること」6%と続いています。
申出要因としては、「求人票の内容が実際と異なる」(3,362件)が最も多く、次いで「求人者の説明不足」(2,070件)、「言い分が異なる等により要因を特定できないもの」(778件)、「求職者の誤解」(480件)、「ハローワークの説明不足」(111件)と続いています。
◆「求人票の内容が実際と異なる」ものの対応
上記「求人票の内容が実際と異なる」ものの対応として、「職業紹介の一時保留」(8%)、「求人取消し(安定所取消し)」(4%)、「求人取消し(事業所取消し)」(8%)、「求人票の内容を変更」(23%)、「求人票に合わせ労働条件等を変更」(6%)、「その他」(求人票が無効等)(52%)となっています。
ハローワークでは、こうした求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に関する相談を最寄りのハローワークのほか、電話(「ハローワーク求人ホットライン(求職者・就業者専用)」)で受け付けています。相談を受けると、求人票を受理したハローワークと連携して、迅速に事実確認を行うほか、法違反のおそれなどがある場合には、当該求人の職業紹介の一時保留や求人の取消しを実施しています。
会社が労働者の募集を行う際には、労働条件の明示が必要なタイミングや最低限明示しなければならない労働条件、労働条件明示に当たって遵守すべき事項、変更明示の方法等が職業安定法に定められていますので、留意してください。
最低賃金が3年連続で3%増加へ
◆政策通りの引上げに
厚生労働省の中央最低賃金審議会は、今年(平成30年)度の地域別最低賃金額改定の目安を公表しました。
今年度の引上げ額の全国加重平均は26円(昨年度25円)、改定額の全国加重平均額は目安通りに上がれば874円(同848円)となります。また、引上げ率は3.1%で、3年連続3%以上の引上げを確保し、政府が昨年策定した「働き方改革実行計画」に沿う形になります。
◆地域別最低賃金の目安額
各都道府県に適用される目安のランクは以下の通りです(都道府県の経済実態に応じ、全都道府県をABCDの4ランクに分けて、引上げ額の目安を示しています)。
【Aランク(+27円)】
埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
【Bランク(+26円)】
茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島
【Cランク(+25円)】
北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡
【Dランク(+23円)】
青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄