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「ベイヒルズ社労士事務所便り2018年6月号」を発行しました

M字カーブ解消? 働く30歳代女性が増加中

◆雇用環境、依然として良好

今年1月、総務省は「労働力調査(29年)」を公表しました。「完全失業率が前年より18万人減」「就業者が前年より65万人増」「労働力人口が5年連続で増」など、全体的に雇用が進んでいることが調査結果に表れています。

◆「M字カーブ解消」とは

同調査結果で特筆すべきなのが、30歳代の女性の労働人口比率(就業率)が69.4%と、米国を抜くほど大きく改善したことです。いくつかのメディアではこの結果を、「M字カーブ(現象)ほぼ解消」と報じました。

「M字カーブ現象」とは、日本の女性の就業率を年齢階層別に比較すると、20歳代や40歳代が高い一方で30歳代は低いため、グラフにするとM字型を描く現象のことです。先進諸国ではほとんど見られない、日本固有の現象として問題視されてきました。

◆働く30歳代女性増加の背景

M字カーブ現象があった背景には、20歳代で働きはじめた女性が30歳代で出産・育児のため(やむを得ず)職を離れ、育児が一段落した40歳代で再就職するというワークスタイルがありました。

M字カーブの解消傾向は、仕事と育児を両立しようという女性が増えていること、および国によるさまざまな両立支援策(たとえば育児・介護休業法の改正による育児休業の延長、短時間勤務やフレックスタイム制など「多様な働き方」の浸透、保育所の定員枠の増加など)の効果が出始めていることによる、ワークスタイルの変化があるとみられています。

◆両立支援策で人材定着を

企業も、自社従業員の仕事と出産・育児の両立支援をすすめています。

例えば三越伊勢丹ホールディングスは、「子が4歳に達するまで利用可能な育児休業」「出産・育児ほかの理由で退職した場合、8年以内なら優先的に再雇用」など、手厚い支援制度で知られています。同社は女性従業員の約半数が30歳代とのことですから、これら支援制度が人材定着にとりわけ大きく寄与していると思われます。

人手不足のいま、両立支援策を上手に活用し、女性従業員の離職を防ぎましょう。

若手社員の「飲み会嫌い」は本当か?~平成・昭和生まれ意識調査より

◆「平成生まれ」と「昭和生まれ」の意識調査

ソニー生命保険株式会社が、平成生まれ(20歳~28歳)と昭和生まれ(52歳~59歳)を対象にアンケートを行い、『平成生まれ・昭和生まれの生活意識調査』として公表しました。同調査から、それぞれの有職者に対して仕事にまつわる質問を取り上げます。

◆「仕事に対する考え方」の傾向

理想的な仕事は「給料が高い仕事」と「やりがいがある仕事」のどちらかという質問に対し、平成生まれは「給料が高い仕事」の方が56.7%と多く、昭和生まれは「やりがいがある仕事」の方が61.8%と多い結果となりました。

また、残業が多い人は「頑張っている人だと思う」か「仕事ができない人だと思う」か、という質問では、「頑張っている人だと思う」が平成生まれで60.1%、昭和生まれで52.5%となりました。同調査は「働き方改革を掲げ、業務効率改善や残業時間削減の方針を打ち出す企業は増加していますが、平成生まれには、“残業が多い=頑張っている”と考える人が多いようです」としています。

◆「飲み会」への考え方

勤務先でのイベントは「積極的に参加したい」か「プライベートを大切にしたい」か、という質問では、平成生まれの61.5%、昭和生まれの71.3%が「プライベートを大切にしたい」と回答しており、昭和生まれのほうがより多い結果となりました。

同調査はこの結果を、若手はいわゆる“飲みニュケーション”に消極的などといわれることがありますが、必ずしもそうではないようだ、と総括しています。

シチズン時計が昨年行った「社会人1年目の仕事と時間意識」でも、「実際にあった飲み会の頻度」が「理想の飲み会の頻度」より少ないという結果となり、同社も「職場のコミュニケーション機会として『もう少し誘って欲しい』と考えている新入社員もいる」と、さきほどの調査と同様の結論となっています。

俗に「5月病・6月病」などともいわれるように、入社・新年度からしばらく経ち、新しい環境に適応できず思い悩んでしまう若手が増える時期です。気になる社員をみかけたら、あまり気負うようなことなく、お酒の席へなどへ誘ってみてはいかがでしょうか。

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