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「ベイヒルズ社労士事務所便り2018年11月号」を発行しました

「採用選考に関する指針」の廃止で今後の採用活動はどうなる?

◆2020年春入社組までは現行ルールを適用

経団連(日本経済団体連合会)は、現在の大学2年生が対象となる2021年春入社以降の就職・採用活動のルール「採用選考に関する指針」を廃止することを正式に決定しました。現行ルールでは、経団連の会員企業は会社説明会が3月1日、採用面接などの選考活動が6月1日、内定の通知日が10月1日をそれぞれ解禁日として、2020年春入社予定(現在の大学3年生)の学生まで適用することが決まっています。

政府は経団連の決定を受け、2021年春入社組(現在の大学2年生)については混乱を避けるため現在と同じ日程を維持する方針ですが、2022年以降は経団連や大学と協議をして新たなルールを作ることを検討しています。

◆指針は形骸化?

経団連の中西会長は、指針を廃止する理由として、主に次の点が挙げていました。

・指針は強制ではないため形骸化している

・経団連に加盟していない外資系やIT系の企業の採用活動は早期化している

内閣府と文部科学省が7~8月に行った就職活動に関する調査によると、経団連の指針で定める面接の解禁日を守っていない企業が62.4%(前年比3.1ポイント増)に上り、指針の形骸化が進む実態が浮き彫りになりました。

また、1953年の「就活協定」以来、就職・採用活動は早期化・長期化し、学業への影響が指摘されていました。

◆「通年採用」へ移行する企業も

近年では、「新卒一括採用」から「通年採用」へ移行する企業も増えてきています。「通年採用」は、欧米では一般的となっており、企業は年間を通じて採用活動を行っているため、既卒者や留学生など幅広く人材と獲得できるとしています。

◆今後は政府主導でルールを作成

今後は、経団連に変わって政府が主導となって就職・採用活動のルールの見直しや「新卒一括採用」のあり方について議論される方針です。採用活動のグローバル化や多様化が進む中で、企業と学生が混乱しないよう適切なルール作りが求められます。

従業員の通勤事故リスク、対策を取っていますか?

◆会社が通勤時の事故発生をめぐり責任追及されるケースが増加

10月1日、事故死したトラック運転手の遺族が、原因は過重労働だとして会社に約1億円の損害賠償を求める訴えを起こしました。

同様に、通勤途中で発生した事故をめぐり会社が責任追及されるケースが増えています。

◆上司も書類送検されたケース

2017年10月、業務で公用ワゴン車を運転中に兵庫県川西市選挙管理委員会の職員が5人を死傷させる事故が発生しました。職員は、当時、参議院選挙対応で約1カ月間休みがなく、200時間超の時間外労働を行っていました。2018年4月23日、運転していた職員は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)で書類送検され、また過労状態を知りながら運転を命じたとして、上司も道路交通法違反(過労運転下命)で書類送検されています。

◆裁判で和解が成立したケース

2018年2月8日、横浜地方裁判所川崎支部において、ある事件の和解が成立しました。この事件は、バイクで帰宅途中に居眠り運転で事故死した従業員の遺族が、原因は過重労働だとして会社に損害賠償を求めたもので、会社が7,590万円支払うこととなりました。従業員は約22時間の徹夜勤務明けで、事故前1カ月の時間外労働は約90時間でした。

◆裁判官は通勤中の会社の安全配慮義務に言及

上記事件で、裁判所は、通勤時にも会社は社員が過労による事故を起こさないようにする安全配慮義務があると認定し、公共交通機関の利用を指示するなどして事故を回避すべきであったと指摘しています。

和解の内容には、再発防止策として勤務間インターバル制度の導入、男女別仮眠室の設置、深夜タクシーチケットの交付等の実施も盛り込まれました。これまで通勤中の事故で会社の責任を認めたものはほとんどなかった為、会社の安全配慮義務が従業員の通勤についても認められることを示した画期的な判断とされています。

◆「労働時間把握」だけではリスクを回避できない

働き方改革法では、労働時間把握が使用者の義務として課されることとなりました。しかし、会社に求められるのは、省令に定める方法により労働時間を記録等するだけでなく、過労状態で従業員が事故を起こさないような具体的対策を講じることであると認識する必要があるでしょう。

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