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「ベイヒルズ社労士事務所便り2018年3月号」を発行しました

「請負契約のフリーランス」を独禁法で保護へ

◆悪質なケースでは摘発も

企業などから個人で直接仕事を請け負って働く「フリーランス」とよばれる人たちが、契約で不当な制限を受けた場合、独占禁止法(独禁法)で保護されることになりました。フリーランスが増えていることを受け、実態調査を行ってきた公正取引委員会(公取委)の有識者会議が見解をまとめ、明らかになったものです。

どういったケースが違反にあたるかを2月中にも公表し、各業界に自主的な改善を促す方針ですが、悪質なケースが見つかれば摘発も検討しているようです。

◆「法律の空白地帯」が発生

企業と雇用契約を結ばずにフリーランスとして働く人は、現在1,000万人以上いるとされています。システムエンジニアやプログラマーといった職種のほか、プロスポーツ選手や芸能人も含まれ、近年はインターネットを通じて不特定多数の個人に仕事を発注する企業も増えているようです。

ただ、こうした働き方は労働基準法などの対象となるのか、事業者の適切な取引環境を守る独禁法の対象となるのか、非常にあいまいだったため、企業側から不当な要求を受けても対抗できない「法律の空白地帯」になっていました。

◆不当な報酬や移籍制限、囲い込みなどを規制

公取委は、昨年からフリーランスの労働環境の実態調査をすすめ、有識者による検討会を重ねてきました。今回まとめた見解では、企業側からフリーランスになされる不当な要求は独禁法の対象となりうると認定。「企業側が報酬や仕事内容などの約束を守らない」「補償費も払わずに他社と仕事をさせない」等を求めた場合は独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」などにあたるおそれがあるとしました。

また、プロスポーツ選手の不当な移籍制限や、芸能事務所による芸能人の囲い込みなども独禁法違反にあたるおそれがあるとしています。

◆クラウドソーシングの急増に対応

公取委が、フリーランスへの不当な要求を独禁法の対象と認めるのは、「雇用関係ではない働き方」を守る必要性が高まっているとの判断からです。仕事の発注側がウェブサイトなどで仕事をしたい人を募集するクラウドソーシングの出現は、こうした働き方を広げる一方、報酬の支払いが遅れたり、仕事内容が一方的に変更されたりするトラブルの急増にもつながっているのです。

公取委の方針にはこうした現状を是正するねらいがあり、見解をまとめることにより、人材の活用を活性化させ、消費者サービスの向上につながることが期待されています。

政府が推進する「リカレント教育」とは?

◆政府が重要性を強調

政府は、人づくり改革を議論する有識者会議「人生100年時代構想会議」において、「リカレント教育(学び直し)」の重要性を強調し、大学や企業、地域による教育プログラムの開発などを進めるように求めました。

リカレント教育の推進の目的は、IT・AI化の加速により、出産・育児で退職した女性や定年退職した高齢者らが最新の技術を学び、生産性向上につなげることです。

政府は昨年末、2019年以降に約5,000億円の予算をリカレント教育に投入する方針を固め、その充実を図ることとしています。

◆各国の取組みは?

リカレント教育とは、リカレント(recurrent)を回帰する、循環すると訳すことから、いったん社会に出た後に必要に応じて再び教育を受ける教育体制ことを意味します。1970年代に経済協力開発機構(OECD)によって提唱され、国際的に広く認知されるようになりました。

スウェーデンでは、キャリアを一旦中断して数年間、フルタイムで学生として教育を受ける仕組みが整っています。また、アメリカでは、コミュニティ・カレッジという公立の2年制の大学で、安い値段で大学教育と職業訓練を提供しています。夕方や夜間、土日も開講しており、働きながら通うことが可能です。

◆日本の現状は?

日本では、かつて終身雇用が慣例となっていたため、リカレント教育の必要性が重視されていませんでした。

しかし近年、社会人入試の実施、夜間大学院の設置、また、放送大学の活用やカルチャーセンターや通信教育、企業の教育訓練が充実し、働きながら学べる環境が整ってきています。

◆政府の方針に期待

政府は昨年末、2019年以降に約5,000億円の予算をリカレント教育に投入する方針を固め、その充実を図ることとしています。

また、今年1月には、雇用保険法の改正により、専門実践教育訓練給付金が拡充され、支給率、上限額、支給対象者の要件が変わり、教育訓練支援給付金の支給率が引き上げられました。

今後、人口の減少が進んでいく中、女性や高齢者だけでなく働き手個人のスキルアップより労働力を向上させることが課題となっており、リカレント教育のニーズも高まっています。

政府の提言により、リカレント教育の環境が整備されていくことが期待されます。

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